内科外来では20年以上にわたり糖尿病の患者さんの診療を続けました。いっしょに仕事をさせて頂いた糖尿病専門医からは糖尿病診療の極意を学ぶことができました。
また、20年以上私の外来を通院された患者さんも数多くおられ、糖尿病の自然経過がよくわかりました。きちんとコントロールを続けた患者さんは、頸動脈エコー検査でも血管はきれいで合併症の出現はなく、やはり地道な日常生活の管理、服薬が大切なことを身をもって知ることができました。
一方で心筋梗塞、脳梗塞を発症された方も経験いたしました。そして血糖コントロールだけでなく、脂質の管理、血圧の管理、禁煙など生活習慣病全般にわたってしっかりと管理していく必要のあることも経験することができました。
また、糖尿病の合併症は発症なく経過した方であっても、癌を発症される方もおられました。
糖尿病の方はそうでない方と比べ、癌の発症率が高いことが知られています。
血糖コントロールをしっかり行うとともに定期的な全身のチェックをまめに行い、癌の早期発見、早期治療につなげてゆきたいと思います。
糖尿病・代謝内科とは
糖尿病や脂質異常症、肥満症などの病気を予防したり、必要な治療を行なう専門的な診療科です。これらの病気は、きちんと治療を受けずに放置していると、どんどん悪化していき、最終的には様々な合併症を引き起こします。もっとも、病気がひどくなる前に適切な治療を行なうことにより、重大な病気のリスクを軽減し、健康寿命の延伸にも繋がると言われています。
糖尿病などの
改善を目指します
当クリニックでは、糖尿病などの病気の進行を食い止めるとともに、様々な合併症(神経障害、腎機能の低下、眼の網膜疾患、虚血性心疾患など)のリスクを減らすための治療を行ないます。さらに、病気を予防するための食事療法や運動療法も提案いたします。糖尿病や脂質異常症は、日々の食生活を見直し、適度な運動を続けることによって改善が期待できます。そのため、まずは血糖値や内臓脂肪測定、頸動脈エコー検査などを通じて患者さんの病状を確認いたします。
その上で、患者さんに寄り添いながら栄養指導や生活習慣の改善に取り組みます。アットホームな雰囲気で食事メニューを見直したり、より良いお薬をお出ししたりしますので、お気軽にご受診ください。
主な対象疾患
糖尿病 脂質異常症 肥満 痛風 動脈硬化 など
糖尿病
糖尿病を患っている方は非常に多くいらっしゃいますが、初期の段階では自覚症状が殆ど現れません。そのため、健康診断で血糖値の高さや尿糖を指摘されても、必要な治療を受けずに放置されている方も少なくないようです。しかし、糖尿病になると高血糖の状態が続くため、全身の血管や臓器に様々な悪影響を及ぼします。最終的には心臓病や脳卒中などの原因となって命も奪われかねませんので、出来るだけ早くから治療を受けるようにしましょう。
脂質異常症
私たちの血液の中には、中性脂肪や悪玉コレステロールなどの脂質が含まれています。これらが基準値の範囲内にとどまっているときは良いのですが、異常に増えすぎてしまうと、動脈硬化などの病気の原因となってしまいます。そのため、食事メニューを見直したり、適度な運動を欠かさず行ったりすることが大切です。太りすぎもリスク因子となりますので、主治医の先生と相談して体重の適正化に努めましょう。
肥満
ご飯やスナック菓子などを食べ過ぎる生活が続いていると、過剰な脂肪が体内に蓄積されていき、肥満になってしまいます。10代、20代のころは代謝がよくて適正体重だった人も、徐々に代謝が悪くなっていき、体重が増えてしまう事があります。 このような肥満は、単にスタイルや見た目の問題だけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患のリスクも高めますので、早めに当クリニックを受診されるようお勧めします。 当院では、漢方薬の処方や、食行動質問表を用いた食事指導、栄養士による栄養指導、グラフ化体重日記による行動療法などを行い、まずは3~6ヶ月かけて現体重の3%減量を目的に減量サポートを行っております。
痛風
血液中の尿酸値が高い状態が続くと、針状の尿酸塩の結晶が作られ、これが身体のあちらこちらに溜まり、痛みを引き起こすことがあります。これが痛風です。様々な関節で起こりうるのですが、特に足の親指の付け根に尿酸塩が蓄積し、突然、激しい痛みが起こるケースがよく見られます。特に、プリン体が多く含まれているレバー類、干しシイタケ、魚卵類、エビ、カツオ、イワシなどを多食する人は尿酸値が高くなりやすい傾向があります。また、ビールなどのアルコール飲料は尿酸値を上昇させる働きがありますので、ほどほどに控えるようにしましょう。
動脈硬化
動脈の壁が硬くなってしまい、血管のしなやかさが失われてしまった状態です。動脈壁が硬化すると、同じ量の血液を送り出すのにも過大な負担が心臓にかかりますので、収縮時血圧は上昇し、拡張期血圧は低くなる傾向が見られます。これに伴い、心臓肥大や心不全などの疾患を発症するリスクも高まります。さらに進行すると、血管の内側にコレステロールや脂肪などが付着し、血管の内側が狭くなります。細い血管の場合は、血管そのものが詰まることもあります。このような事態を避けるため、早期の段階でバランスの取れた食事、適正なカロリー摂取、適度な運動などを行うと良いでしょう。